さて。お国の事情が違うロシア発のダーチャを日本で取り入れるにあたって、私がお手本になるな~と思っている国があります。
それが、ドイツです。
※写真はWikipediaからお借りしています。
実は管理人・ともえは大学時代にドイツ語を専攻しており、合計2年の留学のほか、20代の間はずっとドイツ関係の仕事についてきました。そのため、渡独回数も数十回に及びます。
ドイツの玄関口というとフランクフルトですが、フランクフルト空港から市内へ向かう途中、まるで小人が住むような掘っ立て小屋と庭が延々と広がる区画があります。
以前ドイツ人にあれは何か?と尋ねたことがあるのですが、答えはクラインガルテン(Kleingarten)だよ~とのこと。
ドイツの場合はダーチャではなくクラインガルテンという名称の方が広まっています。クラインガルテンは小さな庭という意味です。
ロシアの場合と同じく、都市部の住民がその近郊に菜園つきの建物を所有もしくは借りて、週末になるとガーデニングや農業にいそしむというスタイルです。
クラインガルテンはその多くが協会・自治会が管理しているので、滞在型市民農園などと呼ばれたりします。
この手のクラインガルテンはヨーロッパ中にありますが、ヨーロッパ内部ではドイツがダントツにクラインガルテンの数が多いのです。
ドイツはもともと領邦国家で、人口数十万の都市が散在する国です。大都市文化は歴史が浅く、人々はもともと自然と身近に接しながら暮らしてきました。
そのためか、ドイツ人の余暇の過ごし方No.1は今でも自然の中の散策や旅行です。
また、東西ドイツ時代に東ドイツではソ連の影響を受けていましたので、ダーチャ文化が入って来たと思われます。
ドイツのクラインガルテンは資本主義国家のドイツという国で発達した文化なので、日本では取り入れやすい側面が多くあります。実際、クラインガルテンの名前を冠した様々な市民農園的な施設が全国にいくつもできています。
そういう意味では、私が週末田舎暮らし・デュアルライフを送っているダーチャをクラインガルテンと呼んでもいいのですが、私自身が「ダーチャ」という名称にこだわる理由は、「そこに精神性や哲学があるか?」というところです。
ウラジーミル・ミグレの「アナスタシア」他、ロシア人にとってのダーチャというのは、単に郊外の庭とか菜園、市民農園という域を超えて、
個人が私的に大地(地球)とつながる場所、自分本来の心の在り処といった意味合いを持ち、地球と人との新しいかかわり方をも含む「文化」になっています。
単なる食糧生産基地とか、いざというときの疎開先みたいな意味だけではない、もっと深く、もっと広がりのある「文化」なのです。
そういうわけで、日本では、システムとしてはドイツのクラインガルテンのような行政を巻き込んで行くことが望ましいと思いますが、精神面ではロシア語の「ダーチャ」に含まれる文化を継承していけたらな~と感じています。
次の記事では、私が考える日本におけるダーチャ村構想についてつづっていきます。
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